ぼたもちとおはぎ

ようやく寒い季節の気配が消え、首のうしろに太陽の陽が当たり、陽射しで体がほの暖かく感じるようになると、ああ~ようやく会津も春だなと。
季節が変わると、それに連れていろんな事が変っていきます。
自然界も芽が吹き、鳥のさえずりがカン高くなり、小川のせせらぎがキラキラと輝き、田や畑がぬかるんでくると私のような甘党人間は何故かしら「あんこもの」が無性に食べたくなってきます。
昔から、私達日本人は季節の移ろいにはるかな何かを感じ、文学や美術、あるいは音楽の中にそうした微かな「移ろう」の美を表現してきました。
流れ行くというよりは、また巡り来る。
今年もまた新しい春が来たのだなという思いと、生きている証が重なりながら、森羅万象営々と移ろいいくのかもしれません。
さて、あっ、そうそう今日のお話「あんこもの」のおいしい話。
「ぼた餅」と「おはぎ」ですがどっちが本当ナノ?この2つは一体どこがちがうんでしょうか。
じいちゃんは、こしあんなら「おはぎ」、粒あんなら「ぼた餅」だと言い。
ばあちゃんは大きく俵の形が「おはぎ」、丸く小ぶりは「ぼた餅」など等諸説いろいろあるのですが、実は正解はと言うとこの2つは全く同じものなのです。
しいて違いと言えば季節によって呼び名が異なるという事なんですねえ。
つまり春ならばその季節に咲く牡丹に見立てて「牡丹餅」「ぼた餅」。
秋ならば、まぶされた小豆の粒が咲き乱れた萩のようであるので「お萩餅」「おはぎ」と。
これが最も一般的な解釈ですが、まあ~まあ~。
なんと我われ日本人は風雅な感性でお菓子を呼んでいるのでしょうか。
考えてみれば、普段のおやつの、あんこ餅に季節の旬の香りをのせて俳句の季語のような菓銘をかぶせてしまう。
その事で、味覚だけではなく耳、目、イマジネーション、触感のすべてに働きかけて美味しくいただく事ができる。
まさに美しい味になるのです。
和菓子のいただき方いろいろですが雪が融け田畑仕事が始まる春や、実りが多く収穫の秋など季節季節にそれぞれのほんの少しのテイストを加味してチョッピリ感謝の気持ちを添えながら食べる。
ぜひ、お薦めです。
そして食べ終わった後にう~んと一言。
日本に生まれて良かった。
会津に暮らしてよかった。